「ストレスは溜めないほうが良いよ」「ストレスが原因で寝れないんです」当たり前のように使う表現ですが、分かっているようで分からないものではないでしょうか。本当に理解できているなら、ストレスを抱えて悩む人はいないはずです。そこで、そもそも悪いものなのか、消すことが出来るものなのかなど「ストレス」について解説していきます。
ストレスはなぜ人によって感じ方が違うのか
ストレスは実に曖昧です。仕事や家庭、人間関係といった社会的なものから、ケガや病気など身体的なものまで原因は様々ですし、度合いも人それぞれです。例えば、同じような失敗をしてしまったり、上司などに嫌みを言われても、人によっては次の日には忘れられるし、中にはずっと引きずってしまう人もいます。
また、ストレスを消すために発散法やリフレッシュ法などが数多紹介されていますが、同じように行ってもうまく解消できる人もいれば、抱え込んだまま体調を崩したり、精神疾患やうつ病になる人までいるのはなぜでしょう。そこでストレスを理解するために生物学的な定義を知る必要があります。
人間にとっては思考・行動すべてがストレス
私たちの脳には、情報を伝達するためのニューロンが無数に存在します。実はニューロンが活動することはすべて「ストレス」なのです。思考するとき、思い出すとき、手を動かすとき、私たちが思考し行動するときニューロンの情報伝達が起こり、そのためにニューロンは発火します。
発火するときには燃料を燃やし、その過程でニューロンは摩耗し傷つきます。この現象に感情が反応した時に私たちはストレスを感じるのです。つまり椅子から立ち上がるのも、好きな人とデートするのも、人間関係で悩むのも脳にとっては同じストレスで、違いは、それを何とも思っていないか、死ぬほどつらいことなのかという感じ方の程度だけということです。
思考や感情はコントロールできる
ニューロンの発火現象ということからもお分かりの通り、ストレスは消すことも減らすことも出来ない一生付き合っていかなくてはならないものなのです。ですが、前述したとおり、程度の違いで感じ方が変わるということは、コントロールできるということでもあります。
ストレスを消そうとしたり、減らそうとするのではなく、感情や思考の捉え方を変えることで、ネガティブ、マイナスな感じ方を軽減するいわゆる「ストレス耐性の強化」を身に付けるということです。溜め込んで引きずってしまう人と、すぐに忘れてリセットできる人の差は感じ方の大きさや程度が違うということです。
まとめ~ストレスが毒になるか良薬になるかはあなたの捉え方次第~
ストレスをなくそうという表現や捉え方は誤解を生みます。消そうとしても解消できずに余計に悩み抱え込んでしまう方を増やす原因になっているのかもしれません。そもそもストレスはニューロンの発火現象によるものです。言い換えればストレスなしには私たちは生きられないのです。
抱え込めば毒になり自分を苦しめますが、うまく付き合えば、良薬になり、危険を知らせてくれる闘争・逃走反応を呼び起こし、目標や困難へのチャレンジ精神を狩り立たせてくれます。ストレスとはあなたの捉え方次第で善にも悪にもなるものなのです。