マインドフルネスはストレス低減法として、精神医療の現場で多く取り入れられ、世の中で、広く知られるようになりましたが、効果はストレス低減にとどまりません。仕事やスポーツ、人間関係など、あらゆる場面において、高いパフォーマンスを発揮するために必要な力を鍛えることが出来る最強のツールと言ってもいいでしょう。そこで、瞑想を行うことで得られる効果をいくつかご紹介したいと思います。
ストレス耐性の強化
ストレス原因の一つは過去の失敗やトラウマ、未来に対しての不安などといった、今この瞬間には起こっていないことへのネガティブな思考やマイナスな感情が挙げられます。マインドフルネス瞑想では、今この瞬間へ心を置くことで、起きていない出来事、過ぎ去ったことに対して動じないメンタルを鍛えることが出来ます。また、深い呼吸を行うことで、自律神経に効果的に働きかけ、身体的アプローチで、ストレスへの耐性を作ることが出来ます。
集中力の向上
マインドフルネス瞑想は呼吸に注意を向け、湧いてくる思考をただ観察していきます。思考に流されそうになったら、「気づく」ことで、今に心を置き続けるということを繰り返します。この気づきの力(アウェアネス)を鍛えることで、長時間の集中力が培われ、意図的に集中状態へ切り替えていくことも出来ます。仕事やスポーツなどにおいて、ここ一番の時に高いパフォーマンスを発揮する力をマインドフルネス瞑想で鍛えることが出来るのです。
EQ(エモーショナル・インテリジェンス・クオシェント)心の知能指数が上がる
マインドフルネス瞑想の基本的な考え方では、自分(意識)そのものと思考は別と考えます。湧いてくる思考や感情を客観的に捉え、観察することで、感情に流されないメンタルを鍛えることが出来ます。思考や感情と自分を同一化しないことで、衝動的な欲求や快楽、イライラや怒りなどを冷静に見つめ、冷静に判断する力、対応力を鍛えることが出来ます。
洞察力、分析力の向上
マインドフルネス瞑想は身体の感覚、思考、呼吸、感情など自分と自分の身の回りで起こっていることに気づき続けることです。この気づきの力(アウェアネス)は、自分の行動、考え方のクセなどにも応用できます。「なぜそう考えたのか、これはただの思い込みでは」などの気づきから、新たな考えや別の視点を持つことへつながります。また自己分析力が鍛えられ、自分の習慣改善をはじめやりたいことやるべきことを正しく見つめることが出来るようになります。
思いやり深くなり、人間の器が大きくなる
マインドフルネス瞑想で湧いてくる思考や感情を客観的に観察することは、捉え方を変えることへつながります。凝り固まった価値観や思い込み、一方からの偏った視点を外し、柔軟な思考が出来るようになります。また、自己受容力を培うことは、他人を受け入れることでもあります。マインドフルネスは豊かな心、人間の器を大きくすることが出来ます。
直観力、創造力の向上 偶然をマネジメントできる
普段考えること、学習したことは、忘れることがありますが、実は潜在意識にはすべての情報が蓄積されています。マインドフルネス瞑想を実践していくと、湧いてくる思考や感情の間、無意識状態とつながりやすくなります。このような状態のとき、潜在意識からアイデア、直感、偶然といった形で、ふと答えや必要な情報が湧いてくることが起こるようになります。つまり、マインドフルネスは偶然をマネジメントすることが出来るのです。
まとめ~マインドフルネスは選択と行動の力を鍛える~
人生は選択と行動の連続です。ストレスを過度に抱えたり、ネガティブな思考のままでいる生き方では、選択も行動も起こすことは出来ません。できないかもしれない、どうせやっても無駄、失敗したらどうしようなどなど行動できないことを考えるのは、やらないための理由づけにすぎません。マインドフルネスはこのような思考状態から、とりあえずやってみよう、失敗も必要だと許容しよう、はじめることでしか成功はあり得ないのだという思考、メンタルを鍛えることが出来ます。「選択し行動を起こす」「動じない心」とは生まれ持ったものではなく、鍛えることで身に付けることのできる技術です。
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